20110429

制作チームキックオフ+アイデアシート発表

去る4/27,首都大学東京日野キャンパス,ネットワークデザインスタジオ(渡邉英徳研)にて,首都大制作チームのキックオフと,各人のアイデアシートの発表がおこなわれました.広島女学院高校の矢野一郎先生八王子市原爆被爆者の会(八六九会)事務局長の上田紘治さんにもご参加いただき,活発な議論が展開されました.

下記に学生各自のアイデアシートを掲載します.当日は一人数十分掛けて発表+ディスカッションをおこないました.昨年のNagasaki Archiveの完成度がたかく,ツバルプロジェクト以来の蓄積で,デジタル地球儀上に顔写真と証言,当時の写真を重層表示する手法が枯れたものになってきているので,学生たちの提案はインターフェイスデザインやネットコミュニティ形成に主軸を据えたものになっています.

各自,これまでの作品制作や講義受講の経験を踏まえた誠実な提案で,参加者からも好評でした.各々を組み合わせることで充実したコンテンツになることは間違いありません.あとで文末に総評を述べますが,まずは全員のアイデアシートをご覧ください.クリックでPDFを閲覧できます.






さて,当日の終盤に総評として述べたことでもありますが,今回のプロジェクトで扱う題材を考えると「仕掛けが語りすぎること」の功罪に,つよく意識的であらねばなりません.つまり,我々の真のミッションは被爆の実相を伝えることであり,すべてのクリエイティブはそちらに向けて発揮されなくてはならない,ということです.ユーザをもてなすためのギミックは,慎重に選別して実装したいと考えています.

昨年のNagasaki Archiveも,公開に向けてメンバー間での強いぶつかり合いがありました.結果,とことん作為が排除されたストイックなインターフェイスに収斂したことが,高い評価を得た理由のひとつかと思っています.気の利いたインターフェイス,工夫の凝らされたギミックなど,たくさんのアイデアが生まれたのですが,最終的には極端に絞りこまれたものになっています.ユーザフレンドリーであることと,作品として強度を持っていることは同義ではありません.

まだ4月,残り数ヶ月を掛けて,案はどんどん変容していきます.制作チームメンバーのクリエイティビティに期待です.(渡邉英徳)

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